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疲労の4段階
「職場のメンタルヘルス」P100
◎「疲れ」と上手につき合うためには
「疲れ」の4段階
☆「疲れ」には4つの段階があります。疲れの次に来るのは「うつ」や「離人感」です。
「離人感」と言うのは、あまりの疲れのために”自分が自分であるという実感”や外界への現実感が薄れてくる状態です。
無意識の内に大きな事故を引き起こしたりする原因ともなります。
☆それぞれの段階の疲れの特徴を知って、早めに気付き適切に対応する事で、
疲れからくるマイナスの影響を避けることが出来ます。
A.急性疲労
主として数分から数十分の作業による筋肉疲労で、作業を中断し、ちょっとした『手待ちの時間を入れる』事で回復する程度の疲れのことをいいます。
B.亜急性疲労
疲れを感じた時に、例えば10分間以上の『休息時間をもつ』事で回復する疲れのことをいいます。
眼への負担が大きい連続検査作業などでは、視覚の機能が低下して検出率が低下したり、事故が引き起こされやすくなします。
数十分から数時間程度の作業で起こる疲労で、作業時間が長くなるほど回復も遅くなります。
C.日周性疲労
朝起きた時に前の日の疲れが残っている段階の疲労です。
だるさ、眠気、注意集中の困難、身体違和感などの自覚症状が翌日までもち越さます。
たとえば、連続夜勤では2晩目とその後の昼間勤務のときに、脳神経系中枢の機能が低下します。
その結果、脳の高度な情報処理が遅れ、注意力も低下して事故にもつながりやすい「疲労」です。
日周性疲労は『少なくとも1日の休日をとる』事で回復します。
D.慢性疲労
回復しないままに日周性疲労が続いた結果、慢性疲労となった段階です。
持続する疲労感・うつ状態・しらけ・気落ち・困惑・情意不安や不眠などの慢性的自覚症状が生じます。
勤務の場で慢性疲労の社員の多い職場では月間欠勤率が明らかに高くなり、社員本人にとっても会社にとってもマイナスの影響を与えます。
慢性疲労は『出来れば日常生活の場から離れて、少なくとも2日間の休暇をとり、疲れの原因となった行動とは正反対の過ごし方をする』事で回復します。
X.それでも疲れがとれない時
こんなときには身体の病気やうつ病などの病気が隠れているかもしれません。
かかりつけの先生や、専門医への受診をお勧めします。
(出典)
1)小木和孝、労働負担と疲労、現代労働衛生ハンドブック、(財)労働科学研究所、1988
2)粟野菊雄、職場のメンタルヘルスノート、医歯薬出版、1995